医療コラム

便秘に良い食事

2017年6月

管理栄養士 森 幸恵

栄養指導で、色々な方と話していると、便秘に悩んでいる方が多くいらっしゃいます。
悩まれている方の年齢や性別はさまざまです。
排泄すべき物を何日もため込んでしまうので、体に良いことはありません。
毎日スッキリと排便があるのが理想的です。



食事のポイント

① 水分をしっかり摂る
食べ物は、胃や小腸で栄養素が消化・吸収された後、大腸を通過する間に水分が吸収されます。水分の摂取量が足りないと、便が硬くなりやすく、排出されにくくなります。特に、朝に腸がよく動きますので、朝起きたらコップ1杯の水を飲みましょう。

② 食物繊維を摂る
食物繊維は、野菜・海藻・きのこ・こんにゃく・イモ類・果物・豆類など、植物性の食品に多く含まれます。腸の動きを良くしたり、便のかさを増やして便意を感じやすくするなどの効果があります。
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があります。働きは少し違いますが、両方とも便秘には効果があります。

③ 腸内の良い菌を増やす
乳酸菌を摂るのもお勧めです。

④ オリゴ糖を摂る
人の体で消化しにくい糖分です。腸内の良い菌の餌となり、便通改善作用があると言われています。調理にも使えますので、煮物を作る時などに利用してはいかがでしょうか。

⑤ 油脂を摂る
油脂は腸を刺激します。適度な油脂を摂るようにしましょう。

⑥ 緩下作用のある食品を摂る
果物の中なら柑橘類、プルーンには緩下作用があります。
食べ過ぎると、中性脂肪値や血糖値にも影響するのでご注意を。

⑦ ごはんをしっかり摂る
主食が少ない食事をしていると、肉や魚などたんぱく質の摂取量が増えます。これらたんぱく質を多く含む食品は、消化吸収されやすく残りかすがあまり出ません。(便の材料になりません。)ごはんには食物繊維は多くありませんが、保水したままゆっくりと消化される為、便に水分を与えてくれます。




食事のポイントではないですが、これらも重要です

⑧ 体を動かす
ジッとしていると、腸もジッとしてしまいます。
歩いたり、よく動くことで腸の動きが良くなります。

⑨ 朝は時間に余裕を持って動く
時間に余裕がなく、排便のタイミングを逃してしまうと、便意に鈍くなり便秘がひどくなります。少し余裕を持って動くようにしましょう。

⑩ 決まった時間にトイレに入り、排便習慣をつける
決まった時間に短時間、トイレに座るのもお勧めです。
長時間だと、良くありませんので、出ても出なくても短時間で切り上げましょう。

暑くなったり、寒くなったりと忙しい天候ですが、体調を崩さずに過ごしてくださいね。

(No.82)