医療コラム

【6月】熱中症を予防する!上手に水分補給するコツ

2014年6月20日

管理栄養士 中居有紀

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今年も梅雨が始まって2週間になります。
梅雨入りして数日は雨の日が続き、クリニック前の湯殿川もまた小氾濫状態になっていたものの、それ以降は晴れの日も多い東京。30度を超える日も日もチラホラで、街の施設に入ると、冷房からの強い冷気を感じることも増えてきました。
そんな梅雨の晴れ間の暑い時期は、身体がついていけずに体温調節もうまくできず、熱中症にかかりやすい時期でもあります。適切な水分補給で、忘れずに熱中症を予防しましょう。

今回は、熱中症予防にも大切な水分のとり方について、ポイントをお伝えします。
 

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   熱中症を予防する!水分補給 5つのポイント   

□1日に必要な水分の量は、1.5L=コップ8杯分

私達は、普通に生活しているだけで1日に2.5Lの水分が体から失われています。そのうち食事中の水分や体内でつくられる水の量は11.3Lほど。残る約1.5Lは、飲み水からとらないと水分不足になってしまいます。コップ8杯分の水をとることを、改めて心がけましょう。(朝起き掛け・朝食後・10時・昼食後・15時・夕食後・入浴後・夜寝る前などに分けて1杯ずつ飲むと、合計8杯になります)

特に30分以上の運動をする時は、飲んで胃やお腹に負担をかけないためにも、一度に多量の水分をとらずに、運動を始める前・運動中・運動後と分けて、いつも以上に積極的に補給しましょう。

□こまめに補給

せっかく1.5L飲んでも、速度が早すぎるとしっかり吸収されずに排泄されていくばかりです。水を飲んでもトイレが近くなるばかりだという方は、自分に合うように回数を分けてゆっくりこまめに飲むよう意識してみましょう。

□汗をたくさんかく時は、塩分・糖分も一緒に補給

炎天下でのスポーツや庭仕事などの大量に汗をかく時には、水だけを飲んでいると体液が薄くなることがあります。単なる水分の補給だけでなく、適度な塩分や糖分も一緒に補給しましょう。体に負担をかけず、望ましい濃度は、塩分は0.10.2%、糖分は2.5%程度と考えられています。

市販の経口補水液を利用したり、また水・食塩・砂糖を用いて手作りしてもOK。よく汗をかいた時は、水分だけでなく塩分・糖分も一緒に補給しましょう。(市販のスポーツドリンクは、糖分濃度が高いものが多いため注意!薄めて飲むなどの工夫を。)

□のどが渇く前に飲む

人は、軽い脱水症状の時には、喉の渇きを感じないことがあります。喉が渇かなくても、渇く前、または暑いところから出る前の段階から、こまめに水分補給しておく必要があります。

□飲む水の温度は、515度

水分の最適な補給温度は、515度が好ましいと考えられています。(5月15日には、5-15℃PROJECT『ゴーイチゴープロジェクト』という熱中症対策と、水分補給の大切さについて考えるイベントも行われています)515度は、冷水器で冷やされた水や、しばらく流水したあとに出る水道水の温度。冷蔵庫や自動販売機から取り出したときは通常46℃くらいなので、調節してから飲むと良いでしょう。


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梅雨が明けるまで、もうしばらく『雨の日』と『猛暑日』が交互に繰り返されそうです。
上手に水分補給し、体調を崩されないようますますご自愛くださいませ。


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(No.46

 

 

 

 

  2014/06/20   澤渡循環器クリニック